手続内容
Procedure details
自己破産について
自己破産とは、借金の返済に対し財産や収入が不足して「支払不能」状態であること(借金返済の見込みがないこと)を裁判所に認めてもらい、借金の支払義務を免除してもらう手続です。
自己破産できる条件
自己破産によって、借金の支払義務が免除(免責)される条件は、
- 支払不能であると裁判所に認められること
- 過去7年以内に免責を受けたことがないこと
※支払不能か否かは申立人の収入や財産、負債状況すべての事情を総合的に考慮し判断されます。
自己破産のメリット
自己破産の最大のメリットは何といっても、借金の返済義務から免れることです。これまで借金の返済に充てていたお金を自身や家族の将来のために使うことができるようになります。また、借金返済に追われていた生活から脱却し、将来的に安定した生活をすることができます。
自己破産のデメリット
自己破産するデメリットは、次のとおりです。
- 信用情報に事故情報として登録され、ローンが通りにくくなる(数年~10年)
- ローン返済中の高価なモノ(自動車や高級ブランド品など)を回収される可能性がある
- 保証人がいる場合、保証人が借金を肩代わりすることになる
- 自己破産したことが官報に掲載される
- 手続終了まで就けなくなる職業(警備員、保険募集人、宅建士など)がある
- 高価な財産(不動産、自動車、保険など)が没収される
個人再生について
個人再生は、住宅などの財産を維持したまま、借金を大幅に減額してもらい、減額後の借金を原則3年で返済していく手続です。借金の金額が大きく、すべて返済することは難しいけど、処分されたくない高価な財産(住宅や自動車など)を所有したり、自己破産をすると職業を継続できなくなったりする場合は、個人再生が適しているといえます。
個人再生ができる条件
個人再生によって借金を減額できる条件は、主に以下のとおりです。
- 住宅ローンを除く借金総額が5,000万円以下
- このままでは借金を返済できなくなるおそれがある
- 毎月安定した収入がある
個人再生のメリット
- 借金を80%程度減額できる(※減額幅は借入や資産の状況により変動)
- マイホームや車を残したまま借金を減額できる(※要件を満たした場合のみ)
個人再生の手続が裁判所に認められると、借金の総額が約80%減額されます。たとえば600万円の借金が80%減額になれば、480万円が免除され、残りの120万円を返すことになります。借金が大幅に減額されることで、完済の見通しが立つ方も多いのではないでしょうか?
個人再生のデメリット
個人再生のデメリットは、次のとおりです。
- 信用情報に事故情報として登録され、しばらくローンが通りにくくなる(数年~10年)
- ローン返済中の高価なモノ(自動車など)を回収される可能性がある
- 保証人が借金を肩代わりすることになる
- 個人再生したことが官報に掲載される
任意整理について
任意整理は、将来利息のカットや長期分割払いの交渉を専門家である司法書士や弁護士が消費者金融やカード会社などと行い、毎月の返済を楽にする手続です。また、過去の取引状況によっては、引き直し計算によって借金の減額や過払い金を獲得できる場合もあります。
任意整理のメリット
- 将来利息がカットされる
- 原則3~5年間の分割払いになる
- 借金の元本を減額できる可能性がある
任意整理のデメリット
- 信用情報に事故情報として登録され、しばらくローンが通りにくくなる。
- ローン返済中の高価なモノを回収される可能性がある
- 近年、任意整理に非協力的な債権者が増えている
消滅時効援用について
消滅時効とは、債権者が権利を行使できる状態だったのに権利を行使しなかった結果、権利を失うことを定めた制度です(民法166条)。消費者金融やクレジットカード会社からの借り入れであれば、最終返済日(または期限の利益喪失日)から5年経過すれば、消滅時効の援用をすることができるようになります。支払いを滞納していたが、裁判所から郵便が届いたような場合は、早急に対応する必要があります。そのまま放置してしまうと、時効の主張ができなくなります。
消滅時効の援用ができる条件
- 5年以上返済をしていない(※10年の場合もあり)
- 5年以内に支払いの約束をしていない
- 10年以内に裁判を起こされていない
上記の要件を満たせば、消滅時効の主張をすることができます。支払いをしていなかった借金の請求が届いたら、一度ご相談ください。