【体験談】自営業を廃業し、自己破産へ──熊本の司法書士に救われた40代男性の物語

自営業を廃業し、自己破産へ

カテゴリ:債務整理 / 自己破産 / 熊本の司法書士

はじめに|「こんなはずじゃなかった」──夜中に検索窓を見つめて

「自己破産」──この言葉を自分の身に置き換えて考えるようになるとは、正直思ってもいませんでした。
以前の私にとって、それはどこか遠い世界の話で、テレビや新聞で目にする“別の誰か”の出来事。まさか、自分が当事者になるなんて。

私は熊本市内で飲食店を営んでいました。地元に根ざした小さな居酒屋でしたが、常連さんにも恵まれ、毎日が忙しくも充実していたと思います。開業からしばらくは、事業も順調で、「これが自営業の醍醐味だ」と手応えを感じていたものです。

けれど、事業というのは本当に浮き沈みが激しいものです。思い返せば、無理をして2号店を出した頃から、少しずつ歯車が狂いはじめていました。売上が落ち、借入が増え、支払いに追われる毎日。気づけば、経営は綱渡り状態となり、精神的にも余裕がなくなっていきました。

追い打ちをかけるように、2020年のコロナ禍。
客足が激減し、売上は激しく落ち込みました。それでも何とかなると信じて、融資や給付金に頼りながら店を続けましたが、すでに限界は超えていました。

ある夜、眠れぬままスマホを手に取り、「熊本 自己破産 自営業」と検索しました。
そのときの心境は、情けなさ、悔しさ、不安…。何とも言えない複雑な感情が入り混じっていました。ただ一つ、思っていたのは、「もう誰かに相談しなければ、自分一人ではどうにもできない」ということ。

この体験記は、そんな私が「自己破産」という決断をし、人生を立て直すまでの記録です。
もし今、同じように苦しんでいる方がいるなら、少しでも参考になればという思いで綴っています。どうか、ひとりで悩まず、専門家の力を借りてください。私のように、前を向ける日が必ず来ます。

第1章|居酒屋開業から順調な滑り出し、そして見落としていた兆候

私は熊本で生まれ育ち、長年飲食業界で働いてきました。
30代半ば、ちょうど経験にも自信がついてきた頃、「自分の店を持ちたい」と思い立ちました。背伸びせず、地元の人たちに愛される店を──そんな気持ちで、熊本市内の片隅に小さな居酒屋を開いたのです。

開業当初は、正直大変でした。お客様の数も少なく、経営とはこうも地道なものかと痛感しました。しかし、少しずつ常連の方が増え、口コミが広がり、やがて手応えを感じるようになっていきました。
「やっていけるかもしれない」
そんな前向きな気持ちが芽生えたのを、今でも覚えています。

軌道に乗ったのは開業から3年目。
このまま続ければ、ある程度安定した生活が送れるだろうという安心感がありました。ところが、同時に「もっと大きくしたい」という欲も芽生えてしまったのです。

私は2号店の出店を決意しました。正直言えば、1号店の利益が十分とは言えなかったにもかかわらず、融資で改装資金と設備費を賄い、準備を進めました。今思えば、この判断は慎重さを欠いていたと思います。

2号店はそれなりに話題になりましたが、人手の確保や家賃、人件費の負担は想像以上でした。
利益は出ているようでいて、実際には出費のほうが多く、毎月の資金繰りは火の車。
気づけば、借入金は増え続け、日々の支払いに追われる生活に変わっていました。

「来月には落ち着くはず」「今が一番苦しい時期だ」──そんなふうに、自分に言い聞かせていたように思います。
家族には心配をかけたくなくて、ほとんど何も話せていませんでした。
相談できる相手もおらず、誰かに弱音を吐くのが怖くて、経営者としての責任感が自分を追い込んでいったのだと思います。

そうして、限界がすぐそこまで来ているのに、それを受け入れきれないまま、私は日々の営業を続けていました。
そして、追い討ちをかけるようにコロナ禍が到来するのです──。

第2章|コロナ禍で売上激減、資金繰りは崩壊寸前

2020年。
私たち飲食業界にとって、その年はまさに激震の年でした。
これまで順調だった店舗運営も、コロナウイルスの感染拡大によって状況が一変。営業自粛・時短要請・客足の激減──。どの要素を取っても、経営に与えるダメージは甚大でした。

私の店も例外ではなく、緊急事態宣言の発令とともに来店数が激減。
通常は週末に20〜30組のお客様が来ていたのが、1日数人、ゼロの日すら出てきました。
店を開けていても、光熱費と人件費が出ていくだけで、利益どころか赤字が膨らんでいく日々。

国や自治体からの給付金、無利子融資、さらにはカードローンや消費者金融にも頼りました。
しかし、それらは一時的な“延命措置”にすぎませんでした。
売上が立たなければ、借りたお金も返済できません。
「とにかく今を乗り切れば」──そう思っていたものの、現実は甘くありませんでした。

家賃・仕入れ・スタッフの給料・自宅の生活費…。月々の支払い総額は100万円を超えていました。
売上がそれ以下なのですから、穴埋めは当然、借金に頼るしかありません
気がつけば、借入額は800万円近くまで膨らみ、自転車操業どころか、前に進む力すら残っていない状態でした。

心身ともに限界に近づいていた私は、ようやく「廃業」という選択肢に向き合うことになります。
ただ、問題はそこからでした。廃業しても借金は残る。事業を閉じたとしても、毎月の返済は続くわけです。

「このままではいずれ破綻する」と感じながらも、どう動けばいいかわからない。
夜中に何度もスマホで「借金 解決方法 熊本」「自営業 自己破産」などと検索し、ようやく「司法書士」という選択肢にたどり着いたのです。

第3章|司法書士に相談した日、人生が少し動き出した

スマホで検索して見つけたのは、熊本市内にある地域密着型の司法書士事務所でした。
「無料相談」と書かれていたことと、ホームページの雰囲気が温かかったことが決め手になり、思い切って問い合わせてみました。

正直、電話をかけるまでは不安でいっぱいでした。
「怒られないだろうか」「自営業だから自己破産できないと言われるのでは」──そんな心配もありました。
でも、電話口のスタッフの方はとても丁寧で、「まずはお話を聞かせてくださいね」と優しい口調で応対してくれたのを、今でも覚えています。

数日後に面談を受けました。
私のこれまでの経緯、借入の内容、家族構成、生活状況などを丁寧に聞いていただき、「このケースであれば、自己破産は十分に可能です」と説明を受けました。

初めて「専門家に相談して良かった」と心から思えた瞬間でした。
私のような素人にとって、法律や破産手続きはまったく未知の領域です。
それを一つ一つ、責めることなく、わかりやすく丁寧に教えてくださる姿勢に、正直、涙が出そうになりました。

何より嬉しかったのは、「破産は終わりではなく、再スタートのための手続きです」という言葉でした。
それまで「破産=敗北」というイメージを持っていた私にとって、この考え方は大きな救いとなりました。

相談を終えた帰り道、私は久しぶりに深く息を吸い込みました。
問題は山積みですが、「一緒に片付けてくれる味方がいる」と思えただけで、心の重荷が少し軽くなったのです。

第4章|手続きの進行と、少しずつ変わる心の風景

司法書士の先生に正式に依頼してから、自己破産の手続きが本格的に始まりました。
まず取り組んだのは、これまでの借入内容や支出状況の整理です。
何にいくら借りて、月々いくら支払っていたか――正直、自分でもあいまいになっていた部分がありました。

通帳の記録、クレジットカードの明細、銀行の借入契約書、生活費の内訳…。
司法書士の先生と一緒にひとつひとつ確認しながら、家計簿のように状況を「見える化」していきました。
不思議なもので、これまで漠然と“苦しい”としか思っていなかった状況が、数字で見えてくると、少し気持ちが落ち着くのです。

必要な書類を整えた後は、裁判所への申立て。
私の場合は「同時廃止」という形式で、破産管財人がつくこともなく、比較的スムーズに進む見込みとのことでした。

書類提出後は、裁判所からの照会や面談(事情聴取)もありましたが、司法書士の方が事前に流れやポイントを丁寧に教えてくださったおかげで、慌てることなく臨めました。

手続きが進むなかで、心の中にも少しずつ変化が現れました。
それまでは「破産=人生の終わり」という暗いイメージがありましたが、
実際に行動し、専門家に支えてもらいながら進んでいくと、「これは自分を立て直すための節目なのかもしれない」と、考え方が変わっていったのです。

もちろん、恥ずかしさや申し訳なさといった気持ちは完全には消えません。
けれど、「やるべきことをやっている」という実感が、少しずつ自信を取り戻させてくれました。

第5章|破産後の再出発。ゼロからでも歩き出せる

そして、手続きを始めて数ヶ月後、裁判所から「免責許可決定」が届きました。
すべての借金が法的にゼロになるという通知を受け取ったとき、思わず深く息を吐きました。

喜びというよりは、安堵でした。
「ようやく終わった…」「これで家族に堂々と顔が向けられる」
長く張り詰めていたものが、ようやくほどけたような、そんな気持ちでした。

自己破産を終えた後も、すぐに生活が劇的に良くなるわけではありません。
信用情報は一定期間ブラックとなりますし、ローンもクレジットも使えません。
でも、不思議と心はとても軽かった。なにより「借金に追われる日々が終わった」という事実が、自分にとって何よりの希望でした。

廃業したあとの私は、生活を見直し、できる範囲でアルバイトや短期の仕事を始めました
豪華な生活は望みません。ただ、堅実に、まっとうに生きていければそれでいい。そう思えるようになったのです。

周囲に破産のことを話すのは勇気がいります。
でも、今は胸を張って言えます。「私は立て直した。もう一度やり直せる」と。

この体験記が、今まさに同じように苦しんでいる誰かの、心に届くことを願っています。
ひとりで抱え込まず、どうか司法書士のような専門家に相談してください。
私のように、救われる道は必ずあります。そして、ゼロからの人生も、決して遅くはないのです。

まとめ|再スタートの勇気を司法書士と共に

  • 自営業でも、自己破産は可能
  • 廃業後の借金は整理できる
  • 司法書士の力を借りることで、スムーズに進められる

熊本で自己破産をお考えの方は、まずは気軽に無料相談から始めてみてください。
「人生を立て直す覚悟」──その第一歩に、信頼できる司法書士の存在は欠かせません。

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