登記には大きく分けて、不動産の売買時などに行う「不動産登記」と会社などに関する「商業登記」があります。

では、どのような場合に登記が必要なのでしょうか?

以下、どのような事由が発生した場合に登記する必要があるのか代表的なもののみ説明します。

 

1 不動産登記

①建物表題登記

建物を新築したら、まず最初に行わなければならない登記で、建物の所在・地番・家屋番号・種類・構造・床面積、所有者の住所・氏名などを登録します。なお、建物表題登記には申請義務があり、建物を取得した日から1カ月以内に行う必要があります。

 

②所有権保存登記

不動産の権利に関する登記のうち原則として最初にする登記です。抵当権設定や所有権の移転登記など、他の登記をする前提として必要となります。

 

③所有権移転登記

売買や相続など不動産の所有者が変わった場合にする登記です。売買や相続のほか、贈与、時効取得、会社の合併のときなどにも所有権移転登記が必要となります。

 

④抵当権設定登記

住宅ローンを組んだ場合などにより債権が発生した場合、ぞの債権を担保するために、債権者と不動産所有者が、不動産に抵当権を設定することができます。この場合に、抵当権の設定登記を申請します。

 

⑤抵当権抹消登記

住宅ローンの完済などにより債権が消滅すると、抵当権も消滅します。この場合には、抵当権の抹消登記を申請します。

 

2 商業登記

①会社設立登記

株式会社や合同会社などは、その本店所在地において設立の登記をすることによって成立します。つまり、設立の登記をすることが会社の成立要件となるのです。

②役員変更登記

取締役や監査役など会社の役員が就任や退任などし、変更が生じた場合は役員の変更登記をする必要があります。また、会社の登記の多くの場合に登記すべき期間が定められており(通常変更から2週間)、この期間内に変更登記をしないと、代表者個人に対して100万円以下の制裁金の支払いを課される可能性があります。この制裁金を「過料」とよびます。

 

③代表取締役の住所変更登記

失念しやすいのが、代表取締役の住所変更登記です。株式会社の代表取締役は住所が登記事項となっており、代表取締役が引っ越すなどして住所が変わると、住所変更登記をしなければなりません。これも変更から2週間以内に登記をしなければ、過料を課される可能性があるので注意が必要です。

 

④その他の変更登記

上記以外で主なものとして、本店を移転した場合、商号を変更した場合、目的を変更した場合、資本金額を変更した場合なども変更の登記が必要です。