自己破産における同時廃止事件と管財事件の振分け

同時廃止事件と管財事件

同時廃止事件」とは、破産財団をもって破産手続きの費用を支弁するのに不足すると考えられる事件をいいます。簡単にいうと、債権者へ配当する財産がない場合に同時廃止事件となります。

管財事件」とは、債務者に属する一切の財産を破産管財人が管理、換価し、債権の確定を得た債権者に配当する事件をいいます。6か月以内に管財事務が終わるとされる小規模管財事件(管財事件の約9割)と通常管財事件に分類される。

ここで、自己破産申し立て後、同時廃止事件となるか管財事件となるかは、申立人にとってとても大きな意味を持ちます。

なぜなら、同時廃止事件となれば、裁判所へ納める予納金は12,000円程度で済むのに対し、管財事件となれば、それが23万円以上必要となるからです。

管財事件となってしまうと、費用面だけ見ても、自己破産の申立人たちには大きな負担となってしまいます。

 

では、どのような基準で同時廃止事件と管財事件の振り分けをしているのでしょうか?以下、熊本地裁の基準に沿ってみていきたいと思います。

管財事件の基準

①20万円以上の個別財産があるとき。

②現金・預貯金(申立て直前の給与・年金を原資とする普通預貯金を含む)及び代理人弁護士への預け金の合計額が、一定額を超えるとき。

※一定額は、標準的な世帯の1か月の必要生計費(33万円)を参考とする。

③債務者が不動産を有し、これに付着した担保権の被担保債権額を固定資産評価額で除して得た額が1.5以下であるとき

④債務者が法人の代表者であるとき

⑤債務者が個人事業主であるとき

⑥債務者の財産を調査する必要があるとき

⑦否認権行使の対象となりうる行為(破産法160条~)が存在するとき

⑧免責許可の判断にあたって調査を要するとき

⑨その他管財手続きに付するのを相当と認めるとき

同時廃止事件の基準

①管財事件の基準に該当しないとき

②管財事件の基準①もしくは②に該当するものの、次に掲げる事情のほか、債務者の生活の状況、債務者の収入を得る見込み、債務者の健康状態、その他諸般の事情を総合的に考慮して、破産手続費用を支弁するのに不足すると認めるのが相当と判断したとき

ア 債務者が生活保護を受給しているかどうか

イ 債務者が高齢であり、収入が僅少であるかどうか

ウ 債務者が身体等に障害を有しているため、就労が困難であるかどうか

エ 債務者が要介護者の介護に従事しているため、就労が困難であるかどうか

※上記の基準は一応の目安であり、事案等に応じて同時廃止事件・管財事件の振分がなされます。

上述した通り、同時廃止事件となるか管財事件となるかは申立人の負担が大きく異なります。

微妙な場合は、担当司法書士と申立て前に十分に打ち合わせをする必要があります。

 

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